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お知らせ

あかりちゃん
2023.12.14 お知らせ

令和5年度 左京区社会福祉大会開催しました。

 

第1部の式典は、左京区社会福祉協議会藤田德治郎会長の開会挨拶に始まり、京都市社会福祉協議会小石玖三主会長と京都市左京区森元正純区長に来賓のご挨拶をいただきました。左京区の地域福祉の推進にご尽力いただいた関係者、役員、ボランティア、協力者、4団体102名の皆様を表彰、贈呈式では9名の代表者の方々に賞状を授与させていただきました。引き続き左京区地域福祉推進委員会主催で「令和5年度左京区地域福祉シンポジウム」※後述 を開催し、約170名の方々にご参加いただきました。

 

会場を移しての第2部は、京都精華大学吹奏楽部の学生さんの若さ溢れる晴れやかなオープニングで始まり、約100名の方々のご参加のもと、所属、団体を超えて懇親を深め、左京の地域福祉について語り合っていただくことが出来ました。

 大会にご出席いただいた皆様のみならず、日々左京区の地域福祉の推進にご尽力いただいております皆様方に心より感謝申し上げます。

 

 

令和5年度左京区地域福祉シンポジウムのご報告

 今年度のシンポジウムは、「災害時の支え合いにつながる 地域の絆づくりと学び合い」をテーマに開催いたしました。花背で社協会長を務める上田捷男委員長の開会の挨拶では、山間地においては常に災害が身近な課題であること、その為、安心安全につながる日頃の絆づくりを通して、地域の様子を把握しておくことが大切とのお話しがありました。

 

 初めに、コーディネーターの京都府立大学公共政策学部福祉社会学科准教授の朝田先生から、近年災害が頻発するなか、山間地の多い左京区においてはその関心は高く、災害の備えに対する行政の支援、地域組織による平時の取組みが災害時に活かされること、そしてその取り組みは障がいのあるなしに関わらず、地域の多様な住民を包摂するものであることが重要という、今回のテーマの目的をお話しいただきました。

 

 一人目のシンポジストとして、森元正純左京区長に「災害時の行政の支援と地域の支え合いの連携について」ご報告いただきました。まずは近年の左京区の災害の状況について説明があり、森元区長が京都市時代にプロジェクトチームとして関わられた「避難行動要支援者名簿」、昨年度より取組みが始まった「個別避難計画」について説明がありました。あわせて、左京区独自の取組みとして、今年度からLINEを活用した自主防災会への情報提供、緊急避難場所への担当所属制の導入などのお話しがありました。「避難行動要支援者名簿」や「個別避難計画」などはこれまでの地域の活動を助けるものであり、こうした災害対策は地域の人々、団体が行動しやすくするために行政が考えるもので、区役所を頼って欲しい、区役所で対応できず必要なことは京都市に働きかけていきたいとお話しを締めくくられました。

 

 二人目のシンポジストとして、八瀬社会福祉協議会岩間豊会長に「災害時の支え合いを意識した学区社協活動について」ご報告いただきました。平成30年7月の豪雨の際、避難所を立ちあげ避難者を受け入れたものの、何をしたらいいかわからなかった体験から、地域組織が集まり災害対策委員会を立ち上げ、災害に備えそれぞれの団体が平時の活動を行うことになった「きっかけ」についてお話しがありました。八瀬社協では、民生児童委員協議会、老人福祉委員、警察駐在所と連携し、普段の活動で把握した情報を出せる範囲で共有し、京都市貸出の「避難行動要支援者名簿」も活用し、見守りが必要な方を住宅地図に色分けしマーキングし、「見守りマップ」を作成しており、その方法と活用について説明されました。従来の「出会う・ふれあう」活動では、つながりのなかった方々との接点ができたことはもちろん、「災害」を切り口にした活動で、地域の団体同士の連携が深まり、社協の認知度が少しずつ上がってきているなど、この取り組みでのプラスアルファの成果もお聞かせくださいました。

 

 三人目のシンポジストとして、聴覚障がい者で「あたたかいハート」代表の三ツ谷直子さんに「障がいのある人もない人も共に学び合う地域へ」をテーマに、事前収録の動画でご報告いただきました。冒頭に、立ち上げからサポ―トしてきた左京区社会福祉協議会ボランティアセンター担当の小谷亜希子から、設立のきっかけと主な活動内容について説明し、動画の三ツ谷さんにバトンタッチしましたが、テロップは映るものの動画の音声が出ないトラブルがあり、急遽、朝田先生が読み上げをしてくださいました。「あたたかいハート」は、聴覚障がい者、失語症の方、ヘルプマークを持つ方、手話を学ぶ方などが集まって活動をしていますが、日常生活の困りごとや不安を出し合う中で、「災害」が出てきました。そこで防災学習会を開催し地域に理解者を増やしていくこととなりました。学習会を続けていく中で、行政の防災担当者、地域の社協や自主防災の役員の方々と、参加者の輪が広がっていきました。さらに地域で開催される避難訓練に参加する試みも始め、今年の6月には防災学習会に参加してくださった岩倉北学区の避難訓練に呼んでいただき、筆談での訓練と訓練後に地域住民の前で話す時間も設けてもらいました。三ツ谷さんからは、障がいのある人もない人も共に学び合う地域は、災害に強いだけでなく日常的にも安心して住むことのできる地域で、今後もっとこのような地域が広がって欲しいとの思いが語られました。

※音声の入った三ツ谷さんの動画を改めてご紹介させていただきます。

 

 

 

当日、質問を沢山いただきましたが、時間の関係でお答えできなかったものがございましたのでシンポジストの方に後日お答えしていただきました。

 

 質問)協定締結が結べていない団体は、何が問題で結べないのですか?

 回答)「避難行動要支援者」に対する取組を学区独自で行っているケースや「避難行動要支援者名簿」の個人情報は、取扱いに細心の注意が必要であり、団体内での管理体制を構築するのに時間を要していることなどから、協定締結を結べていない団体があります。

 

質問)「周知・徹底」は、既に全部行われましたか?まだならいつまでにお知らせされますか?

回答)「避難行動要支援者名簿」「個別避難計画」につきましては、京都市のホームページ(下記のURL参照)、市民しんぶん(令和4年2月(名簿)、令和5年5月(計画))及び広報発表(令和4年1月14日(名簿)、令和5年5月1日(計画))等で周知させていただいております。今後も様々な機会を通じて、区民の皆様へ防災に係る情報を発信していくように、努めてまいります。

<避難行動要支援者名簿・個別避難計画>

https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000297584.html

 質問)八瀬災害対策本部は京都市要支援者貸出名簿の貸出協定を結んでいるのですか?

 回答)災害対策本部に提供する見守りマップは、京都市の貸出名簿を参考に作成しているもので、名

簿そのものを供覧していないので、協定締結はしていません。

 質問)八瀬社協での、体操、学習会等のリーダー育成は、どうなっていますか?

 回答)事業部を設け、50代、60代の方にも関わっていただくようにしました。若い人に任すことが大

切と思っています。

 

災害をテーマにした今回のシンポジウムでは、災害時に必要な自助と共助の共助に注目しました。共助=支え合いとして、地域において平時にその土壌をつくっておくことが重要であることを再認識しました。障がいのある人もない人も、ともに、学び合って互いにわかりあっておくこと、普段から、地域の団体で一定の情報共有や意思疎通が図れるような取組みを行うこと、行政はそうした地域の活動を後押し出来るような災害対策を、住民の声を聞きながら整えていく役割があることを、3つの実践報告から学びました。コーディネーターの朝田先生、シンポジストの皆様、そしてご来場いただき熱心に実践報告をお聞きくださった皆様に感謝申し上げます。